杉並アニメーションミュージアムライブラリ収録富野由悠季インタビュー
- 2006 07/02 (Sun)
◎監督とは?
文字でしか表現できないものをどのように映像化するのかが監督の仕事。
映像化とはいくつかのカットをまとめて一つの話をまとめること。さらにアニメや映画はそれに効果音や台詞がつく。それらを映像とどのようにマッチングさせればいいのか想像的な指示を出すのが監督。
◎影響を受けたものは?
周りにいろいろな人がいたからというのが正しい言い方。
自分は最初からアニメの仕事を志したわけではなくたまたま虫プロに入った。だが40年たって思うのは、虫プロがあったから、手塚先生がいたから、若いアニメーターがいたから今の自分がある。当時は中卒者も珍しく無く、4大卒の自分が彼らと一緒に働かざるを得ず、徹底的に彼らから馬鹿にされた。しかもこっちはマンガ映画に関しては素人であるし、大卒なんて肩書きは役に立たない。ただなんとなく勉強してきたというプライドだけでは仕事はできなかった。
フリーになって以降もいろいろなところから仕事をもらったが、仕事をくれる人に自分がどうやって返していけるのか、つまり自分の能力で恩返しができるのか考えている。それは視聴率をとりたいということだし、一般のお客さんからの評価も得たい。その評価が次の仕事を呼ぶし、それに対してまた答えていくという繰り返し。こういう人たちの中で仕事をしてきたから、自分の言うことを聞いてもらえるようになった。だからこそ、語ることをちゃんと言葉として伝えられる富野になりたい。俗な言い方をすれば、みんながいてくれるから自分の考える事をできるようになった。
◎作り手を目指す人へ
技術論なんかは現場に入ってから覚えればいい。映像産業に参入する決定的能力は「常識」。これだけ。だって、作品は誰に見てもらうものなのか。普通の人100万人に「うん」と言わせる作品を作らなければならない。それが作品の持つ能力、機能、使命である。作品を作るとは、世間に対して自分の語るべきことを語ること。作り手が100万人の言葉を持っていないとダメ。100万人に伝わる言葉、例えば「愛は地球を救う」でもいいが、その言葉の意味は?劇構成は?それをどうアピールできる?と考えられるコモンセンスが必要。
映像と演劇は全く別個のものではなく、演技や、人間・キャラクターが動いて構成される劇構成を考える上で不可分のもの。ただ、両者には決定的な違いがあり、演劇は板の上で2人の人物が観客に見えたまま演技する。映画はカット割によって、同じ台詞を話していても、台詞の意味性が劇的に変わってしまう。それをふまえての演技・作画が物語全体の流れの中で果たす役割を想像するセンス、能力、認識することが必要。物語を理解するという能力を手に入れるためには、機材をどう使うかなんて技術はいらない。その時の人々の気分、感情、心の動き、民俗の違いなどを仕入れるのが30歳までにやっておくべきこと。だから本当に映像作品を作りたい人はこんなところに来ないで外に出なさい。いろんなものを見て、いろんなものを読んで、いろんな所に行って、人というものはどういうことをしているのか見なさい。失恋の一つもしなさい。そうやって自分が感覚的に手に入れたことが将来技能として役に立つんです。
動画自体は11分弱のもの。
ショッキングピンクのシャツの上に、
黒いジャケットを羽織った姿の富野が語っている。
他にも大地丙太郎監督などのインタビュー映像があった。
文字でしか表現できないものをどのように映像化するのかが監督の仕事。
映像化とはいくつかのカットをまとめて一つの話をまとめること。さらにアニメや映画はそれに効果音や台詞がつく。それらを映像とどのようにマッチングさせればいいのか想像的な指示を出すのが監督。
◎影響を受けたものは?
周りにいろいろな人がいたからというのが正しい言い方。
自分は最初からアニメの仕事を志したわけではなくたまたま虫プロに入った。だが40年たって思うのは、虫プロがあったから、手塚先生がいたから、若いアニメーターがいたから今の自分がある。当時は中卒者も珍しく無く、4大卒の自分が彼らと一緒に働かざるを得ず、徹底的に彼らから馬鹿にされた。しかもこっちはマンガ映画に関しては素人であるし、大卒なんて肩書きは役に立たない。ただなんとなく勉強してきたというプライドだけでは仕事はできなかった。
フリーになって以降もいろいろなところから仕事をもらったが、仕事をくれる人に自分がどうやって返していけるのか、つまり自分の能力で恩返しができるのか考えている。それは視聴率をとりたいということだし、一般のお客さんからの評価も得たい。その評価が次の仕事を呼ぶし、それに対してまた答えていくという繰り返し。こういう人たちの中で仕事をしてきたから、自分の言うことを聞いてもらえるようになった。だからこそ、語ることをちゃんと言葉として伝えられる富野になりたい。俗な言い方をすれば、みんながいてくれるから自分の考える事をできるようになった。
◎作り手を目指す人へ
技術論なんかは現場に入ってから覚えればいい。映像産業に参入する決定的能力は「常識」。これだけ。だって、作品は誰に見てもらうものなのか。普通の人100万人に「うん」と言わせる作品を作らなければならない。それが作品の持つ能力、機能、使命である。作品を作るとは、世間に対して自分の語るべきことを語ること。作り手が100万人の言葉を持っていないとダメ。100万人に伝わる言葉、例えば「愛は地球を救う」でもいいが、その言葉の意味は?劇構成は?それをどうアピールできる?と考えられるコモンセンスが必要。
映像と演劇は全く別個のものではなく、演技や、人間・キャラクターが動いて構成される劇構成を考える上で不可分のもの。ただ、両者には決定的な違いがあり、演劇は板の上で2人の人物が観客に見えたまま演技する。映画はカット割によって、同じ台詞を話していても、台詞の意味性が劇的に変わってしまう。それをふまえての演技・作画が物語全体の流れの中で果たす役割を想像するセンス、能力、認識することが必要。物語を理解するという能力を手に入れるためには、機材をどう使うかなんて技術はいらない。その時の人々の気分、感情、心の動き、民俗の違いなどを仕入れるのが30歳までにやっておくべきこと。だから本当に映像作品を作りたい人はこんなところに来ないで外に出なさい。いろんなものを見て、いろんなものを読んで、いろんな所に行って、人というものはどういうことをしているのか見なさい。失恋の一つもしなさい。そうやって自分が感覚的に手に入れたことが将来技能として役に立つんです。
動画自体は11分弱のもの。
ショッキングピンクのシャツの上に、
黒いジャケットを羽織った姿の富野が語っている。
他にも大地丙太郎監督などのインタビュー映像があった。
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