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9/11の日曜日に、NHK文化センター名古屋教室で行われた富野の講演会。
「富野監督が語る「仕事力」~企画・映像・個性の問題~ 」と題されたこの講演会に私も参加してきました。

コンセプトとしては4月に青山教室で行われた講演会とほぼ同じでしたが、今回は富野のテンションも高く4月とはまた違った雰囲気の講演となりました。

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この講演会は12月にNHKラジオ第2放送の「文化講演会」で放送されることもあり、またシャア専用ブログさんが詳細なレポを書いていらっしゃるので詳しい内容についてはあえて書きません
そのかわりに講演を聞いて私が気になったポイントを3つだけご紹介いたします。

作り手の独創・アイデアを売るな


ヒットの要素は偶然であるという話からポケモンGO人気の話題になった時に富野が言ったのがこの一言。
ポケモンGOはあくまでもマーケットのニッチにはまった、そしてそれはマーケットリサーチの結果であったと。

「開発者というのは時折そういうもの(技術論)に振り回されて開発企画を立ててしまう、作品企画も立ててしまうということが起こっています。だから、今の時代の人々が何を望んでいるのか、マーケットが何を欲望しているのかということを考えて開発されなければいけないのであって、作りての我々の持っている独創とか『こういうようなアイデアが良いだろう、だからこれで打って出る』というような考え方はしちゃいけないよ」

「日本人の技術信仰の錯覚というのは、ゼロ戦と戦艦大和からまだ残っているのではないのかな」

「(日本人は)マーケットに対応するセンスをあまりにも持っていないんじゃないのかな」

これってエンタメに限らず日本のメーカー全般に言えることではないのかと思ってしまいました。
特に要らない機能をゴテゴテ載せた日本の家電がシンプルなアジア系メーカーに負けていった経緯を連想しましたね。
富野も例としてシャープを挙げてました。
また、大衆の欲望や願望を体現している存在として「トランプ現象」(トランプ個人ではなく彼を熱狂的に支持してしまうような人々)を挙げていました。
この点もまた印象に残るところでした。

嫉妬玉大爆発!!


このところ「おおかみこどもの雨と雪」を絶賛したり、「風立ちぬ」に感動して亜亜子さんから「嫉妬心はわかないの?」と聞かれてしまうほど丸くなった富野ですが、この日は久しぶりに嫉妬玉を大爆発させていました。
まずは、『シン・ゴジラ』と『君の名は。』

「ムラムラとした嫉妬心」
「クッソー!!」
「でもその近くでビジネスをしたい」


さらに昔のことを思い出し、

「永井豪を潰す!西崎某をつぶす!」
「高畑をつぶす!宮崎をつぶす!」
「(長浜監督になったせいで)こちらが思っていたよりも酷いライディーンになってしまった。シャーキンを作ったのとあの声優(神谷明氏?)を連れてきたのは俺なんだぞ!」


このように富野が嫉妬玉を炸裂させたのは、それくらい作品に対して敵愾心を持っていないとコピーになってしまうという考えから。
似たような二番煎じにならないためには「この作品を潰す」という意気込みで、自分の「個性」、手癖、偏りを作品にぶつけないとダメだと富野は熱弁しておりました。

特に「君の名は。」には強い影響を受けたらしく「新海誠のヤローを潰す!」と明言しており、こちらとしては「倒すべき敵」が見えたことでお爺ちゃんが元気になってとっても嬉しい限りでありました。

なお、富野と新海監督は「ほしのこえ」を制作した直後の2002年に対談をしております。
デジタルとアナログの温度差 | ひびのたわごと(休眠中)

このときは富野が上から目線で「もしやるだけやってどうしても行き詰まったら、相談に乗るくらいは出来ますよ。」とアドバイスしていたのが、今となっては倒すべき敵認定ですのでわからないものですね。

富野ガンダムの宿命


G-レコの制作論について語っている時に富野が言ったのが「富野ガンダムの宿命」。
これはどういうことかというと、観客一人一人の記憶の中にすでにガンダムがリアルに存在してしまっているということ。
そういうところから新しいガンダムを作れという要求があるというのです。

どのような要求かといえば、

「内容的にはSFチックで学園的、リアルに考えられる戦闘もので、且つゲーム的な感覚の映像」

とのこと。
しかし、富野からすれば、それは「富野ガンダム」ではあっても「僕のガンダム」ではない、「それぞれのガンダム」だと富野は言っています。
そのような要求に応えることは自分には出来ず、さらに言えば自分より若い人がそれに類するガンダムを作っているらしい。
ならば、実態の富野がわざわざ作る必要はない、というところから脱ガンダムを考え、宇宙エレベーターとの出会いを経て「G-レコ」の着想に至ったそうです。

ほうほう、これは興味深い話ですね。
さらにさらに、
「リギルドセンチュリーは精神的に1,000年時間を飛ばした。実際の時間は30年でもいい。」という話も。
また、「ヘルメスのバラの設計図」が∀ガンダムの「黒歴史」と全く同じ意味合いであることも富野の口から語られました。

以上の3点が私が気になったポイントでした。
他には「ガンダムは40代のものになった」という身につまされる発言も……。

青山教室で行われた今年・昨年の講演では、それぞれ「G-レコ」制作で参考にした「課題図書」があったのですが、今回はそのような紹介はありませんでした。
残念。

そのかわり、劇場版「G-レコ」の上映が来年早い時期にあるというお漏らしがありましたよ!
ヤタ━━━━━━ヽ(゚∀゚)ノ ━━━━━━!!!!

というわけで、富野信者の皆様はその時まで全裸待機いたしましょう。

ちなみに会場内のホワイトボードにはこんな文章が。 
160913_tomino_02.jpg
これは開場時にすでに書いてあった文。

さらに、講演開始直後に富野が書きなおしたのがこちら。
160913_tomino_03.jpg

さて、違いにお気づきだろうか?

と、ここまで講演会のレポを書いてきましたが、ここで書いたことはあくまでもニュアンスの再現であり一言一句富野が話した通りの再現ではないことをご了承ください。
また詳しい内容については年末に放送されるラジオ番組でご確認ください。
年末にラジオ放送がされた時には、どの部分がカットされたのか検証記事でも書いてみましょうかね。


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2958
No title
富野監督が連れてきた声優は市川治氏のことじゃないですかね。シャーキンを務めた後、長浜監督のロボットアニメシリーズでずっと美形ライバルを演じてましたから。

2959
Re: No title
> 富野監督が連れてきた声優は市川治氏のことじゃないですかね。シャーキンを務めた後、長浜監督のロボットアニメシリーズでずっと美形ライバルを演じてましたから。

あ、その可能性かもしれませんね。
以前にライディーンの特番で神谷明を起用した経緯とかを語っていたのでそちらかと思いましたが、市川氏を美形悪役に導いたのもこの作品でしたね。

ありがとうございます。

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  • 北関東在住のおっさん。
    富野信者、富野研究家ではありません。ただの富野資料蒐集癖。
    アルバトロスのZ級映画が大好物。
    ご連絡はdameganoあっとgmail.com(あっとは記号に直してください)までお願いします。

    このブログでは「富野作品論」のような難しいものは扱っておりません。それらをお求めの方のご期待に沿えることは難しいのでリンク先の各サイトを参照なさることをお勧めいたします。


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