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春の2大SFアニメ重戦機エルガイム&巨神ゴーグ富野由悠季総監督安彦良和監督比較研究●『エルガイム』は、新人を起用したスタッフシフトが特徴。富野総監督、湖川総作画監督のもと、ニューパワーが作る新シリーズだ。インタビューは富野由悠季氏と、永野護氏、矢木正之氏にきいてみた!■新鮮なデザインの魅力一方のエルガイムは、重戦機(ヘビーメタル)と呼ばれる“戦闘用メカニック”。もちろん、機械として描かれている。これらのデザインは、新進デザイナーの永野氏の作。まずなぜ若手を起用したのかを、富野氏はこう語る。富野「スタッフの世代替わりを、具体的に実行していきたいということです。これは『ザブングル』からの予定です。今回、永野くんというデザイナーに出会えたこと、第2スタジオを中心にした若手クリエイターが、それなりに台頭してきたのではといことで、創作上の権限などを移行させていこうと考えています。つまり、富野カラーを作ることを拒否する監督を、僕自身でもやっていこうということですね」ではデザインの永野氏にきこう。永野「本当は、もっとシャープなラインにしたかったんです。新しいところといえば、関節を人間と同じように動かすための複合関節と、全体を装甲で覆わずに、内装と外装を作ったことですね。子供にも、夢を持った大人にも、夢のある作品にしたいですねェ」●これまでのアニメキャラとは、ちょっと違ったムードを持つ『エルガイム』のキャラたち。この物語の中で、彼らはどう生きていくのだろうか!?■ニューヒーローの誕生『エルガイム』のヒーロー、ダバ・マイロード(本名はカモン)は、片田舎から、青雲の志を抱いて、都会へ行く少年。彼と行動をともにするのが、ミラウー・キャオと、盗賊だった娘、ファンネリア・アム。彼らを動かす作画監督の矢木正之氏にきいてみた。矢木「永野さんのキャラは、最初に思っていたより、楽に動かせますね。動かして生かすといったキャラだと思います」第1話での動きは、まさにヒーロー!そんな感じのダバだったが、これまでの富野作品とも少し違っていた。富野「1話は、僕なんかの目から見ると“え〜っ”という部分もあります。でも、あそこまでハッとして見られるとは思いませんでした。あの新しいタイプのキャラを見ても世代の交替が感じられます」矢木「わりと、自分たちで楽しくやっています。そうですね、遊べるところがあるキャラクターですよね」■戦う女は美しい…かな『エルガイム』のヒロインは、やはりファンネリア・アムだろう。なぜか盗賊を廃業して、ダバたちの一行に加わる。“なぜ!?”ときかれても、確固たる信念があるわけではないようで、ただなんとなくついてくるといった感じである。 もと盗賊だけあって、行動力もある。戦闘もやれば、ブリッ子もやる。―まあ、ある意味では、才能豊かな女の子だ。永野「ああいう女の子って理想ですね。デザインの上では、ダバ・マイロードと同じで、とても苦労したキャラです。理想の女の子を描くって、難しいですよ(笑)。そのせいか、ちょっと『エルガイム』の世界から、離れた感じになってます」次に気になるキャラクターについて、富野氏にきいてみよう。そう『ダンバイン』のチャム・ファウそっくりな、リリス・ファウだ。富野「あれは、ペット的存在です。チャムと同じようなキャラを出してほしいということで、作っただけです。別に『ダンバイン』とは関係ありません。まあ、とりあえず出しておいて、何をさせるかは、後から考えようと(笑)。ただ、あまり設定を無視するわけにもいきませんので、昔に滅ぼされた種族の生き残りということにしています。とにかく、飛んでいてくれればいい、というわけです(笑)」■斬新なデザインに注目『エルガイム』のキャラクターの特徴は、そのコスチュームにも表れている。永野氏に、イメージをきいてみた。永野「ダバはジャズダンスの服、ファンネリアはレイヤード(重ね着)、ネイ・モーハンは、レザーを主体にしたもので、実際にモデルに着せてから、裁断するような感じの服です。」第1話で登場した盗賊の姉御、リーリンは『エルガイム』の敵キャラのトップバッターだが、完璧な“悪”という感じではない。今後、登場する真の敵キャラ、オルドナ・ポセイダルとその部下たちはどんな感じなのか楽しみである。永野「僕が自信をもって言えるのは、キャラもメカも、誰の影響も受けていないということですね。ロジャー・ディーン(ジャケット・アーティスト)は別として(笑)、この人以外からは影響されていないと思います。ただ、ロックミュージシャンを目指している時、急にアニメの話が来たものですから、ロボットもキャラも苦労しました」若手スタッフの動かす、若手デザイナーのキャラクターが、これから『エルガイム』の世界を、どう創造していくのか注目したい。■ジメジメさせたくない『エルガイム』の舞台は、二重太陽サンズをめぐる5つの惑星、ペンタゴナ系だ。しかもこの5つの星は、同一軌道上を回っているという設定。富野「なぜ二重太陽にしたのか―実はぜんぜん理由はありません(笑)、『ダグラム』でやっていたから、まねしようと(笑)。ただ、考え方としてあるのは、これは不確定太陽系なんです。たとえば、同一の軌道を5つの惑星がめぐるというのは、そんなバカなという部分があるでしょう。その部分に触れられるところまで、話が進めばいいなという想定はありますね。」同一の軌道だから、隣の星というのは、我々の太陽系以上に身近である。富野「それにもかかわらず、こんな社会なのはなぜか―そういうところまで話がもっていければいいと思っています」■スターウォーズの隣富野「まあ、『スターウォーズ』と同じだと思ってください。スターウォーズをやっていると、その隣の宇宙空間にダバたちがいると(笑)。隣の太陽系ですね(笑)」なぜかこれからのストーリー展開が期待できる言葉だ(と、またも勝手に思う)。では、ズバリ、『エルガイム』の世界とは、どんなところなのかをきいてみよう。富野「具体的には、言えません。これだけは、ぜったいに言えない(笑)。シリーズのラストで見えればいいけれど、見えなければ、これだけはシラを切り通します。それだけは覚悟してください(笑)。ひょっとしたら、2〜3年後にまた、バラしてしまうかもとも考えていますが……」どうも『エルガイム』は、その世界そのものに何かがあるようだ。メカニックとしてのロボットも『エルガイム』では、また新しい系統を打ち立てそうだし、キャラクターも新鮮。総監督として、若手スタッフの力を結集しようとする富野氏のパワーが画面に現れ『エルガイム』である。
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